人吉温泉 人吉旅館(貸切湯)

昭和5年から8年にかけて建築された人吉旅館の建物は今日まで保存、活用されている。玄関を入ると重厚な梁に目を惹かれる。廊下や客室の窓には木枠が用いられている。館内に居ると時代を錯覚しそうだ。



浴舎へ続く廊下が終わると大浴場が待つ。二つある大浴場の間に貸切湯が配置されている。貸切湯は2室で、扉が開いている側を利用する。



脱衣所、浴室ともに広いとは言えない。脱衣所にはエアコンと扇風機が備わる。勿論無料だ。洗面台には贅沢なアメニティが揃う。扉を開けると細長い浴室が現れる。



喚起は最小限で蒸す。浴槽に満たされる湯は薄褐色を帯び、浴槽のタイルなどは褐色に変化しているように思われる。湯口の側にはコップが置かれている。飲泉できる。適温の湯を口に含むとトロトロ感が広がり、鉱物味が五感を刺激する。個性をもった湯が旅館の敷地から湧出しているようだ。




浴槽を溢れた湯は、手前の洗い場へは流れず、窓側に設けられた淵の溝から流れ去っていく。シャンプー類は贅沢に揃う。フェイスソープまで備わる。

浴舎の一角に涼み処が設けられている。籐椅子に座り庭を眺めることができるのだ。




庭も旅館の建物と同様に長い歴史を刻んでいる。贅沢な空間を楽しむことができる。エアコンはない。自然の涼風で肌と心を冷ます。


人吉温泉 人吉旅館(貸切湯)
人吉市上青井町160
0966(22)3141 HP
ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉
54.6℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯
600円×人数/60分
7:00~20:00
2017/8/10

人吉温泉 人吉旅館

国指定登録有形文化財である人吉旅館は立ち寄り湯を受け付ける。玄関を入ると丁重な接遇で迎えられる。浴室はフロントを奥へ進み突き当りを左へ。さらに突き当りを左に折れ進むと浴舎に達する。
訪れた者は、廊下を進む間、年月を経た建物の重厚さと繊細さ、温かみを感じ取ることになる。浴室は時間で男女が入れ替わる。



【手前の浴室】
入り口は二つある。どちらから入っても脱衣所、浴室とも中で一緒になる。脱衣所は細長い。藤の籠が並び、冷水器が備わる。洗面台には十分なアメニティが揃う。エアコンが効き夏の暑さは無関係だ。



浴室は蒸す。喚起は最小限のようだ。浴槽、床とも薄褐色に変化している。温泉成分の仕業だろう。浴槽を満たす湯は浴槽内のタイルを変色させて見せる。



湯口の側にはコップが用意されている。湯口の湯は飲めるようだ。含んでみるとトロトロした感触と鉱物味を覚える。個性を静かに主張する。湯温は適温だが汗を呼ぶ。




浴槽内には木製長椅子が沈められている。椅子に座って過ごせるのだ。リクライニングした姿で身を沈めることができる形状の浴槽を見たことはあるが、椅子を沈めた浴槽を知らない。



洗い場にはボディシャンプー、ヘアーシャンプー類、フェイスソープなど豊かにアメニティが並ぶ。これ以上欲するものはないほどの充実だ。

【奥の浴室】
大浴場は二つある。夜、奥の浴室は女湯から男湯に変わるようだ。朝、暖簾をくぐった。明るい脱衣室だ。洗面台の一角に源泉が吐水する蛇口がある。飲泉する場合はこちらか飲むこともできる。




浴室のほとんどを占めるのが浴槽だ。無数の石が淵を形成する。湯口も石で飾られている。薄っすら褐色を帯びた湯が満たされている。洗い場は左右の壁に配置されている。床が占める面積はほとんどない。




こちらの浴室は以前、公衆浴場として提供されていた空間を改修したものらしい。公衆浴場は廃止されていた。



浴舎を外から眺めると、公衆浴場の頃に設けられていた入口の跡が見てとれる。無論塞がれている。人吉温泉と書かれた看板だけが、公衆浴場だった頃を語るようだ。


人吉温泉 人吉旅館
人吉市上青井町160
0966(22)3141 HP
ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉
54.6℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯
600円
貸切湯 600円×人数/60分
7:00~20:00
2017/8/10

鶯温泉(うぐいすおんせん)

スナックや飲食店の看板が通りを飾るが、午前8時に人影は稀だ。通りから狭い入口を抜けると昭和のモダンな飲み屋に似た構えの建物が迎える。駐車場が用意されている。




入口の扉を開けると左手に受付がある。ブルーのシートがかけられ人はいない。営業時間を過ぎているのでしばらく待つ。8時30分頃、白髪でしなやかな老女が現れた。300円を渡すと50円のお釣りをもらった。公式には300円だが250円で営業しているようだ。



脱衣所は暗い。浴室はさらに暗い。灯りのスイッチを探すがない。諦める。脱衣所も浴室も予想を超えて広い。浴槽は複雑な形状で表現が難しい。向かって左側の浴槽が一般的な浴槽で、湯口から湯が注ぐ。中央の槽は浅い。寝湯だろう。主にはこれらの浴槽に身を沈めることになろう。
湯の色を正確に確認することはできない。暗いからだ。湯口の湯を口に含む。トロトロとした印象と鉱物味を感じた。個性を持った湯だ。湯は適温だが汗が止まらない。冬には心地よいかもしれない。




洗い場の吐水蛇口からは水のみが出る。シャワーを温にすると温泉が出てくる。

施設は古く痛みは進んでいる。いつまで存続するのか心配になった。入浴できたことを幸運に感じた。


鶯温泉(うぐいすおんせん)
人吉市紺屋町53
0966(22)5320
炭酸水素塩泉・塩化物泉
泉温不明
シャンプー類あなし ドライヤーあり(有料)
内湯
300円(250円)
奇数日のみ営業 8:00~12:00
2017/8/11

平山温泉 家族温泉ひらおぎ

山と畑と田んぼが描く風景はありふれた農村風景だ。山鹿市平山が他の山間の田舎と異なるのは、極上の温泉が湧くことだ。一部改良された場所もあるが、道は中央線のない両側1車線だ。

日帰り温泉施設などが点在する道沿い、揺れるのぼり旗に誘われ車を停めた。受付で3種類ある施設の中から露天を選ぶ。受付の右手にある浴舎で、施設の中では比較的新しいようだ。右端の部屋へ入るように案内された。



脱衣所は3畳間ほどの広さ、エアコン(無料)が備わる。夏に向けてありがたい。扉を開けると内湯、その先には露天が待つ。



内湯に満たされる湯温を確認する。熱い。とても入れない。加水用の蛇口を開ける。出てきたのは水ではない。温い温泉だ。手にすくい鼻に近づけると硫黄の臭いが心地よい。口に含むと玉子味が広がる。加水用の温泉はなんとも極上だ。対照的に湯口から注がれる熱い温泉は極薄く琥珀色を帯びているように見える以外個性に乏しい。




露天に出ると塀とのびた屋根の間から緑の山風景が見える。見晴らしは良くないが、流れ込む風が解放感を与える。
露天の浴槽は淵に木が施されている。湯口からは適温の湯が注がれ、季節に合った湯温で迎える。硫黄の臭いと玉子味が五感を刺激する。肌はいきなりのヌルスベ感に包まれる。注がれる湯は湯口でミックスされ、内湯とは全く異なる印象を与える。




洗い場は混合栓だが、お湯と水をそれぞれ出すことができる。水のみを出す。吐水されるのは温い温泉だ。内湯の加水用温泉と同じ印象を受けた。




猛暑日が続く夏ならば、加水用の温泉のみを浴槽に満たしたいと思わせる泉質だ。


平山温泉 家族温泉ひらおぎ
山鹿市平山5579
0968(44)1821
アルカリ性単純弱放射能・硫黄温泉 43.5℃
単純硫黄温泉 51.1℃
C室(内湯) 1000円/50分 シャンプー類なし
特別室(内湯) 1500円/50分 シャンプー類あり
露天(内湯・露天) 1500円/60分(土日祝)シャンプー類あり ドライヤーあり
露天(内湯・露天) 1300円/60分(平日)シャンプー類あり ドライヤーあり
8:00~22:00
2017/6/20

平小城温泉城山公衆浴場

平山温泉郷の懐に抱かれていることを感じる辺り、細い市道の傍らにその浴舎は建つ。集会所のような表情の建物に湯抜きなどの造りはない。入り口の上部に掲げられた浴場の名を記した文字からは年月の経過を読み取れる。





玄関を入ると趣のある料金箱が待つ。100円を入れる。脱衣所には簡素な棚と浅いプラ籠が並ぶ。扉のノブは変わらず未修理、タオルが巻かれている。扉を開けると先客が体を拭き上げていた。幸運にも一人っきりの時間が始まる。




澄んだ湯が陽光を反射する。湯口から注がれる湯は一旦小さい浴槽を満たし、広い浴槽へ流れ込む。凝視すると白い粒子が浮遊している。手にすくいあげた湯はほんのり硫黄臭が鼻腔を喜ばせる。口に含むとまろやかな玉子味が喉に届く。肌をヌルツル感が包む。極上の湯は健在である。




洗い場にも温泉が引かれている。湯印の蛇口のみを開ける。適温の湯が出てくる。心地よい硫黄の臭いがする。この上ない贅沢である。
充実した設備の温泉でなければならない方には不向きな温泉である。泉質にこだわりを持つ人にはお勧めの温泉だ。


平小城温泉城山公衆浴場
山鹿市平山
アルカリ性単純硫黄泉
42.1℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
13:00~20:00
2017/3/22