昼下がりに訪れた。記憶では食事もできたが、温泉のみの営業であった。
受付で貸切湯をお願いする。貸切湯は4室あるようだ。さざんかという浴室をお願いした。受付棟から左へ進むと、数段下がった場所に浴舎が佇んでいた。杉皮で屋根を葺いたような木造の建物は年月を重ねた表情で、落ち着いた風情を漂わせていた。
扉を開けると階段、下った先に脱衣籠が3つ用意されている。脱衣場と浴場は同じ空間である。浴室は正面が開け放たれた半露天である。容赦なく風が吹き込む。寒い冬には辛いかもしれない。
浴槽は切石で組み上げられているようだ。湯口からはとうとうと湯が注がれている。湯口の蓋を開けると2本のパイプが顔を出す。どうやらこの中で湯温が調整されているようだ。
注がれる湯は単純硫黄泉で、浴槽は乳白色に満ちている。白い湯の花が大量に舞いヌルヌル感が肌を包む。手に取るまでもなく鼻腔は硫黄臭に刺激される。個性ある湯を好む方にはお勧めの湯だ。
浴槽は深い。踏み込みがの段はかろうじて見えるが、底は見えない。油断すると足を取られる。
浴槽から身を乗り出すと、浴舎の側を川が流れている。その先は高原風景につながっている。
少し冷たい風を時より受け、奥黒川の風景を眺めながらの湯浴みはひと時の贅沢かもしれない。
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黒川温泉 耕きちの湯（貸切湯）※2018年5月で休止の情報あり
阿蘇郡南小国町満願寺6363-1
0967（44）0840
単純硫黄泉
67.1℃
シャンプー類あり ドライヤーなし
貸切湯（半露天）
1600円/50分・1800円/60分
大浴場（内湯） 500円
9：00～17：00
2016/3/6