小田温泉 民宿きらく

20年ほど前の小田温泉は、数軒の農家が民宿を経営する民宿村だった。隠れ家のような温泉宿が1軒あるだけで、山に囲まれた集落は実に長閑で静寂だった。

久しぶりに訪れた小田温泉には敷居の高い構えの宿が木立の先にいくつも建ち、民宿と分かる建物は限られていた。




通りを進むと木立の角に古い立て看板が立っている。「民宿」という文字に懐かしさをもらった。緩やかな坂道を上ると宿の建物が見えてくる。右を向くと木立に囲まれた駐車場が待つ。
たまたま客の見送りに出ていた宿の方に立ち寄り湯をお願いする。快諾をいただき、浴場まで案内を受けた。



縁側を突き当りまで進むと手前右手と正面に浴場の扉がある。浴室は2つあるようだ。どちらに入ってもよいとのこと。貸切で利用することになる 。手前右手の浴場は露天、正面の浴場は内湯である。内湯を利用させていただいた。

脱衣所は浴室と一体化し、竹細工の籠に衣服を重ねることになる。浴槽は直径2mほどの円形で、小ぶりの岩を組み上げているようだ。浴槽内は真っ黒だ。
湯口からは熱い湯が注がれている。浴槽に満たされた湯も熱く、夏場は辛いかもしれない。浴槽の淵に蛇口があり加水は可能だ。




湯は透明、臭いはなく味に癖はない。肌に残るのは素直な印象だ。竹の壁が印象の残る浴室は器用な素人が作り上げたように素朴だ。

手前右手の露天も見学した。浴場は板壁で守られている。壁の一部に泉質、泉温が書かれている。立ち上がれば風景を見ることができる。




浴槽は岩で組まれ、透明の湯の湯が注がれている。
20年前に宿をとった時の記憶が少し戻ってきた。


小田温泉 民宿きらく
阿蘇郡南小国町満願寺5948
0967(44)0507 FB
塩化物泉
74℃
シャンプー類あり ドライヤーなし
内湯 露天 ※貸切で利用
300円
10:00~15:00
2016/3/6