産山温泉 奥阿蘇の宿やまなみ

春前の枯れた草が広大な草原に揺れる。
休日、車が溢れる瀬の本高原レストハウスの駐車場を出て、やまなみハイウェイと呼ばれた県道11号を南下する。県道40号との交差点を左折、産山村池山水源方面へ進む。



上田尻、玉来川の側に宿が立つ。木立に囲まれ落ち着いた風情を醸し出す。昼食もできるようだが予約のみとのコメント。この表示とともに、温泉は利用できる旨の記述がある。

玄関手前には源泉が流れ出ている。地下1000mから湧き出ているらしい。玄関を入ると奥から笑顔の女性が出てきた。立ち寄り湯をお願いする。女性は宿の廊下を奥まで進み下駄に履き替えるように案内した。




戸外に出ると木立の中に浴舎が建っていた。向かいには待合棟が設けられ、囲炉裏に火が入っていた。先客4人と入れ替わりに貸切となる。

脱衣所は3畳間ほどの空間、洗面台などはなく黒を基調としたシンプルな造だ。
浴場に入り目を惹きつけるのは浴槽だ。かぼちゃの湯と命名された理由を勝手に納得してしまう。浴室の半分ほどを浴槽が占める。明るい茶色系の石が無数に用いられ、コンクリートで成型されているようだ。




壁から突き出た湯口からはこんこんと湯が注がれている。個性的な浴槽に注がれる湯は透き通り、気に留まるような臭いはない。口に含むと鉱物味がする。肌を優しく包むような感覚を覚える。浴槽を溢れた湯は浴槽に刻まれた溝から流れ去っていく。実にシンプルな湯の流れだ。




隣には四季の湯がある。こちらは屋根付きの露天である。切石で構成された浴槽で、産山の自然を身近に感じ取れる空間が提供されている。





産山温泉 奥阿蘇の宿 やまなみ
阿蘇郡産山村田尻254-3
0967(25)2414 HP
アルカリ性単純温泉
45.1℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
大浴場の内湯(かぼちゃ風呂)と露天(四季の湯)は男女入れ替え制
500円
貸切湯4湯 2000円/60分
10:30~21:00
2016/3/6