湯をお願いしたのは、昼下がりの宿。浴舎は1・2分ほど歩いて道を下った場所にあるという。4つある貸切湯のうち、2つに入ることができるらしい。「めじろ」という湯をお願いした。
コンクリートで固められた道は木立の中にある。水の音が届く。黒く塗られた木製の壁で守られた浴舎が視界に入る。扉を開けると、暗い空間に迎えられる。足元にはスノコが続く。
簾の先に脱衣棚が見えた。左を見やると岩で組まれた浴槽が広く面積を占めている。一度に10人ほどは入れそうな浴槽だ。光が入り込む正面を見やると、大きく開放された空間の先では緑が騒いでいる。
浴槽に設けられた2つの竹の湯口からは、それぞれ湯と水が供給されている。注がれる湯は透明で無臭だ。舌に残るような味はない。光のいたずらかもしれないが、浴槽を満たす湯は極うっすらブルー色を帯びている。
川面から冬の風が入り込むが、湯は熱めに設定されているようで、肩まで沈めると冷え込む空気に太刀打ちできる。
洗い場には木製の四角い枡が置かれ、湯がとうとうと注がれている。加水して湯温を調整できる。体を洗う際は、この枡の湯を使うよう。
湯上り、木立に戯れる鳥や草花に目を留めながら、下りてきた小道を上がっていく。
貸切でいただいた湯は500円。気兼ねなく利用させていただいた。なんとも贅沢なひと時だった。
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田の原温泉 流憩園
阿蘇郡南小国町満願寺7075-1
0967（44）0671 HP
単純温泉
54℃
シャンプー類あり ドライヤーなし
貸切湯（半露天）
500円
8：00～15：00/18：00～20：00
2014/2/14