日奈久温泉 旅館幸ヶ丘


温泉神社への参道が登り坂になりはじめた頃、息を休めるため立ち止まると、右手に古風な構えをした宿が佇んでいるのに気付きました。行き届いた掃除の印象を受ける宿の玄関扉を開けると、目の前には階段が伸びる玄関ホールが現われます。
右手に受付のような囲みはあるものの人の気配はなく、声をかけます。降りてこられた男性に入浴の旨をお願いします。「今日の一番ですよ。湯は飲めますから」との答え。




浴場は階段を上り左に折れ少し進んだ右手で、紺の暖簾が下がっています。扉を引くと浴場、脱衣所と浴室が同じ空間です。
脱衣所にはシンプルな棚とプラ籠が用意されています。20cmほどの低い段を降りると浴室です。白系の大理石のようなタイルが敷き詰められています。壁には腰のあたりの高さまで小さい乳白色のタイルが貼られ、天井もまた白色で統一されています。
湯に浸かり浴室内を見回すと、洋風の浴室をイメージして作られたのかもしれないとの印象を受けます。




湯は魚と子供がモチーフにされた湯口から大量に注がれています。無色透明の湯を口に含むと、玉子味と鉱物味が明快に広がります。臭いは感じず、表示によれば消毒剤の使用はないようです。また、加水、加温もなされていないとのこと。




浴槽はL字形をしていて、壁側が深く、窓辺側が浅くなっています。3、4人で満員になりそうなくらい小振りの浴槽です。脱衣所も浴室内も掃除が行き届き、清潔感が溢れています。




日奈久温泉の湯の魅力がそのまま体感できる場所のようです。


日奈久温泉 旅館幸ヶ丘
熊本県八代市日奈久上西町394
0965(38)3016
アルカリ性単純温泉(自家源泉)
43.8℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯
500円
10:00~15:00
2013/3/17