松の湯の手前角から右へ折れ路地を進むと、鏡屋旅館の先に白い壁の2階建てが見えてきます。木造の味わいが風情を醸し出す宿とは異なり、実用に徹した造りのようです。
玄関を入ると小振りのホール空間で、荷物などが置かれているためか、なおさら狭隘に感じます。声をかけると宿の方が出てこられました。入浴の旨を伝え、300円を渡します。浴場は1階廊下の突き当たりです。右手扉のガラスには手書きの文字で「男湯」、開けると2畳間ほどの空間が現われます。脱衣所です。木製の棚が置かれています。
アルミ製の扉を開けると浴室です。4畳半ほどのスペースを2畳ほどの浴槽が占めています。洗い場はなく、浴槽から湯を汲み上げて身体を洗います。灰色を帯びたベージュのタイルが貼られた浴槽の、湯口付近、溝を切られた淵の辺りは茶色に変色しています。湯口は羊の頭部を形づくり、勢い良く湯が注がれています。湯を口に含むと、鉱物味ととろりとした弱い玉子味が広がります。ほぼ無色です。
湯口からの湯は一旦雨といに落ち、そのすべては洗い場に流され、捨てられていました。もったいないので、雨問いの傾きを変え、すべて浴槽内に流れ込むようにしました。
湯は配湯ではなく、自家源泉とのことです。宿から120mほど山手にある西宝寺付近に源泉があり、そこから浴槽に引き込まれているようです。
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日奈久温泉 武士屋旅館
八代市日奈久上西町360
0965(38)0207
ナトリウム塩化物泉(自家源泉)
46.1℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
300円
10:00~22:00
2013/3/17