旅館たから湯

    









人吉市中心から西方に位置する温泉町には旅館が数軒建ち並びます。旅館たから湯はその一角に所在し、純日本建築の姿は、高級料亭の趣きさえ感じられます。玄関を入ると左手にフロント、メガネをかけた中年男性が出向かえてくださいました。「お風呂は入れますか?」「どうぞ」スリッパはありません。裸足で進みます。浴場は玄関のすぐ右手にありました。扉を開けると、誰もいません。貸切です。脱衣所と浴場は同じ空間ながら、浴場は木と石の階段を10数段降りることになります。

旅館の浴場にしては小さい、それが最初の印象です。洗い場は2箇所、浴槽は2m四方が2つ繋がっているのみです。湯は極薄い黄金色、熱めの湯温です。手に取ると鉱物臭、味わうとトロリとした良い味わいです。湯の華は確認できません。浴場の位置がどうやら地下にあたるためか、窓からの風景はそれなりです。湯口のある浴槽は床などが褐色に染まり、洗い場の床も同様の色合いに変化しています。

たから湯の魅力は、木をふんだんに使った丁寧な造りでしょう。その味わいは十分に感じ取れます。ただ、新温泉や堤温泉を堪能した後だと、その魅力が半減してしまうのは仕方のないことかもしれません。


旅館たから湯
人吉市温泉町湯の元2503-1
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
46.0℃ 掛け流し シャンプー類あり ドライヤーなし
500円
10:00~15:00
2005/11/3