内牧交差点を温泉街へほんの少し進み、離合不可能な細い道へそれる。しばらく走ると木々に囲まれた宿に着く。
暖簾が下がる玄関を入り立ち寄り湯をお願いする。案内されたのは別棟にある露天風呂だ。
木立の間を抜け囲炉裏を囲む待合棟の先には、独立した男女別の露天風呂が用意されている。男女の露天は時間で入れ替わるようだ。黒色に塗られた浴舎は木々の中に溶け込む。脱衣所は暗い。晴天の昼間でも灯りが必要だ。
扉を開けると露天風呂が顔を現す。岩で組まれた浴槽は木々の姿が映り込み内部が見えずらい。底面は均平ではないから移動する際は注意が必要だ。この日強かった日差しは、植栽されたクヌギや紅葉の枝葉などによって柔らかく穏やかな陽光に生まれ変わっていた。
竹の先から注がれる湯は、肌を極々うっすら青みがかった色にする。臭いは感じ取れない。口に含むと金気味と石膏味のような苦みを感じる。個性をもった湯で、程よい湯温だ。
浴槽を溢れた湯は湯口そばの排水口へ流れ去っていく。底近くにも小さな湯口がある。やや熱めの湯が勢いよく出ている。露天の湯温を保つためかと思われる。洗い場は1か所用意される。
木々を眺めながら一人っきりの時間を過ごした。
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内牧温泉 旅館親和苑
阿蘇市内牧1354
0967(32)0330 HP
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩泉
42.2℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
露天(立寄り湯)
500円
10:00~16:00
2017/10/9