南小国町役場から県道40号を南東へ進んで行くと、道は狭隘になる。離合の際は譲り合いが必須だ。家が道の両側に並び集落を形成する。
やがて道に沿い川が流れる。志津川である。その川を挟んで県道の向こう岸に新しい匂いのする建物が見える。満願寺温泉共同浴場だ。屋根を支える梁の太さに圧倒される。2016年12月に竣工したらしい。
料金は200円だ。以前の記憶だと300円、100円安くなったようだ。入口に利用の案内板が掲げられ料金箱が用意されているので、100円玉を2枚入れる。管理人は常駐せず防犯カメラが出入りを記録している。
入って右手には休憩スペースが設けられている。談話室のような役割も果たしているようだ。
左手に主浴室、奥の右手に小浴室がある。旧温泉館にも主浴室と小浴室があった。同じ思想だ。
主浴室には左手に逆L字型の浴槽、右手に洗い場が配置されている。浴槽は2槽に分かれ、正面右手奥が湯尻、左手前が上り湯である。
湯口は上り湯槽にあり、天井からパイプがのびる。湯口は湯面下である。上り湯槽の下部には穴が開き、湯尻槽へ送られる。従って上り湯より湯尻が温い。湯に個性的な特徴は宿らない。肌に優しい素直な湯だ。無味無臭という表現があてはまる。
共同浴場で主浴室と小浴室を併せ持つ浴場を他に知らない。どちらに入ろうが両方入ろうが200円だ。
小浴室は大人なら3人が限度かもしれない。但し天井は高い。湯は滞留せず消え去る。
小浴室の男湯は窓がない。狭所感を苦手とする人には辛いかもしれない。
施設が生まれ変わって1年にも満たない。施設内のどこをとってもしっかりとした造りを印象付ける。
共同湯スタイルを保ちながら新築を断行し、よそ者にも開放していただいている地元の方々に感謝である。
□
満願寺温泉共同浴場
阿蘇郡南小国町満願寺志津
志津地区自治会管理
単純温泉
42.8℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯(大・小)
200円
6:00~22:00
2017/10/9