南関町から山鹿市へ至る国道443号は、田園と林に守られ長閑な風情が続く。ちょうど、南関と山鹿の中ほど、落ち着いた土色の壁をあしらった日本建築の家族湯が建つ。
駐車場の奥に受付棟が待つ。用意されている家族湯の写真から希望の湯部屋を選び、自販機でチケットを購入する。受付の方に渡し案内を待つ。この日利用したのは南天。渡されたエアコンのリモコンとドライヤーがが入ったプラ籠を下げて移動する。
脱衣所には籠と椅子、壁に鏡と造り付けの一枚板の棚が備わる。浴舎の外部、内部とも木質を生かした造りで迎えてくれる。浴室への扉も太い木枠でガラスを囲む。
ヒノキが淵を守る浴槽には、勢いよく湯がが注がれる。湯は利用ごとに入れ替えられるようだ。浴槽を湯が満たすと湯口からは少量の湯が注がれることになる。
湯は無色透明、際立つ臭いを感じることはない。口に含むと弱い鉱物味が喉に届く。身を沈めれば肌はヌルツル感に包まれる。このあたりの温泉施設に共通するローション感がこちらでも楽しめる。
ややくせった引き戸の外には露天風呂が覗く。太い石で組まれた浴槽だ。ややぬる目の湯が満ちては溢れている。庭は4畳半程度の広さだ。小さな南天が植えられている。
高い塀の向こうは国道のようだ。覗かれる心配はない代わりに風景は楽しめない。
施設内に湯の分析表等は見当たらなかったが、施設のサイトに掲載されている。かけ流しで提供され、飲泉も可のようだ。
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栗山温泉 紅さんざし
玉名郡和水町大田黒284
0968(34)4233 HP
アルカリ性単純弱放射能温泉
39.4℃
シャンプー類あり ドライヤーあり エアコン無料
貸切湯のみ
1800円・2600円・3100円/60分 延長可
10:00~24:00
2015/1/10