湯の鶴温泉街の道に沿うように建つのが永野旅館です。旅館街の中心部に位置すると思われます。
扉を開け中へ。玄関は広いのですが、生活の臭いがバリバリです。ごめんくださいといっても返事がありません。物音がするほうへ進むと、食器を洗っている女性の方がいらっしゃいました。「温泉入れますか?」と訊ねますが芳しい返事がなく、「いくらですか?」と訊ねても同様です。100円と知っていたので、100円玉をひとつ置いて浴場へ向かいました。
永野旅館を訪れる客は常連さんばかりで、皆さんぽんと100円をテーブルにおいて浴場へ行かれるのでしょう。
薄暗い脱衣所で服を脱ぎます。透明のガラス戸を通して浴場が見えます。浴場へは階段を3段ほど降りることになります。
浴槽は3つに分かれています。湯口のある浴槽から次の浴槽へ、そして最後の浴槽へ。湯は段階を経ながら適温に調整されていくようです。うまい仕組みです。湯口のある浴槽は熱すぎて入れません。(狭くて当然無理です。)2つ目の浴槽に入りましたが、長くは無理です。一番大きい浴槽でもやや熱めですが、こちらは普通に入れます。3つの浴槽をうまく利用することで、源泉の性質の良さを提供してくれているようです。
泉質は硫黄泉なのですが、硫黄の臭いはほとんど感じ取れませんでした。しかし、湯上りの肌はしっとり滑らかになっていることが分かります。露天風呂もあります。露天というより屋根がついていますので、壁のない岩風呂とでも表現できます。露天風呂は男女がつながっていて、行き来が可能です。混浴露天風呂です。
永野旅館、総じて、古い建物です。浴場施設もそれに比例しています。特に浴場の床は、排水用の穴(亀裂)が無秩序に開いていますし、おまけに滑りやすいので十分注意が必要です。
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湯の鶴温泉 永野旅館
0966-68-0012
水俣市湯出1421
アルカリ性単純硫黄泉(アルカリ性低張性高温泉)
49.8℃ 無色 掛け流し 石鹸類なし
100円
8:00~20:00
2005/5/2