水俣市の街中から10分ほど水俣川の支流湯出川沿いに県道を268を走ると、どこにでもある山間の道沿いに湯の鶴温泉街が突然現れてきます。ゆっくり車を走らせ、駐車場を探します。上流にある保健センターに停めることにしました。歩いて温泉街を歩いてみます。川に張り付くようにして宿が建ち並び、鄙びた温泉地の風情が良く保たれているように感じました。
きくの湯は湯出川の対岸に位置し、木製の橋を渡って行くか、温泉街の入口に掛るコンクリート製の橋を渡り、きくの湯専用の駐車場に車を止め細い階段を降りて行くことになります。営業開始前だったので入口には鍵がかかっていましたが、木製の橋から風景を眺めていたら初老の女性が来られ、挨拶の後「温泉は入れますか?」と訊ねると、「時間前ですがどうぞ」の快い返事です。
3畳間ほどの脱衣所には木製の棚と靴箱があり、きちんと整理されています。タイル張りの内湯がひとつ、洗い場はなく浴槽の周りはコンクリートが打ちっ放しです。湯口からは湯が惜しみなく供給され、溢れた湯は流去っていきます。かかり湯の後入らせていただきます。湯口の湯をすくってみます。何とも良い硫黄のにおいがするではありませんか!浴室全体に硫黄臭が漂うわけではありませんが、まろやかな印象です。湯は無色透明、泉質は不明ですが湯上りの肌は滑らかで、温めの湯ながら湯上りの肌からは汗がひっきりなしに出るのです。体が良く温まる湯のようです。別棟で休憩室もあるようです。
そろそろ上がろうかと思った頃、お客さんが来られました。貸切はここで終わりました。お客さんはタンクを持参されていて、湯口の湯を汲まれていました。何に使うんでしょう。訊きたかったのですが、少し怖そうな人だったので止めました。湯の鶴温泉へ行ったら、きくの湯ははずせません。
□
湯の鶴温泉 きくの湯
水俣市湯出
泉質不明
無色 硫黄臭 掛け流し
100円(子供50円)
8:30~18:00
2005/5/2