吉尾温泉 町営共同浴場

  
急流下りで有名な球磨川、その球磨川も下っていくに連れて、雄大な流れへと変化していきます。国道219号は八代市から人吉市を結ぶ幹線道路ですが、今は高速道路にその主役の座を譲っているようです。






吉尾温泉はその国道と球磨川を挟んで対岸に位置するJR吉尾駅から1キロほど西へ県道27号を進んだ辺りに見えてきます。吉尾温泉町営共同浴場の建物は一切の案内板、看板がないため、見つけるのに一苦労しました。

入口の引き戸は開け放たれています。ごめんくださいといっても返事なし。料金170円という張り紙はあるものの、料金箱が見当たらない。近所の方を訪ねたところ、「小さな籠があったでしょう。それに入れてください。」とのこと。浴場へ戻り教えていただいたとおり籠へ170円を入れ螺旋階段を下りていきます。
浴場は暗く、窓もありません。従って、蒸し暑いのです。真夏だったら絶えられないでしょうね。脱衣所には棚が設置され脱衣籠があります。狭い浴場です。浴槽は1m×1.5mほど、湯口が見当たりませんが良く見ると、溝が切られた縁のところから湯が溢れています。浴槽の中へ手を入れて湯口を探しますが分かりません。目に見えるパイプのコックを動かしてみてもこのパイプの出口に変化はありません。いったいどこから湯が供給されているのでしょうか。湯に浸かりゆっくりします。弱い硫黄の臭いが良いですね。肌にも優しい湯ですね。洗い場は2箇所、その上部に直径20センチほどの丸い窓があります。まるで潜水艦の窓みたいです。その先には草が見えます。どうやら、浴室は目の前の吉尾川の川面より2メートルほど下に位置するようです。

こんな場所にある温泉、初めてです。入口の空間のほかに休憩室もありますし、トイレもあります。周りの景色は楽しめませんが、こんな変わった温泉もたまには良いですね。


吉尾温泉 町営共同浴場
葦北郡芦北町大字吉尾(町営吉尾温泉診療所の奥)
単純温泉? 掛け流し シャンプー石鹸なし
170円
2004/9/11