阿蘇市内牧支所の東隣り、道を一本挟んだ場所にひっそりと佇む宿がある。長い時間を刻んだと思われる建物に入り、湯をお願いする。
やや暗い廊下を左手に進み、さらに右に折れた奥まった場所に浴室はあった。
脱衣所は狭い。棚と籐籠が用意されている。手前に内湯がある。露天は脱衣所を経由し利用することになる。コンクリート製と思われる内湯には、勢いをもった湯が注がれている。うっすら潮濁りを帯びた湯だ。口に含むと、苦味と酸味が感じられる。やや熱めだ。溢れた湯は、褐色に変色した浴槽の淵に刻まれた溝から流れ去って行く。浴槽の底にはステンレスの蓋がある。ジャグジー用なのかもしれないが、作動していない。
露天風呂は岩で組まれている。湯口からは少量の湯が注がれている。回りは壁と植栽で目隠しされているので、風景を楽しむことは叶わない。浴槽の底はヌルッと滑る。温泉成分によるものと説明されている。注意が必要だ。
浴室を出て気付いた。洗面台があった。ドライヤーが備えてある。その先に普通の扉がある。内側から鍵をかけることができる。男湯と表示がある。
開けてみると脱衣所が現れた。その先には浴室が出現した。さっき利用した浴室と広さもほとんど同じだ。ただ、こちらには露天風呂がない。
同じような浴室が二つある。宿泊客などの数や希望、利用形態によって使い分けるのだろう。
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内牧温泉 内牧荘 ※2015/3/31で閉鎖の情報あり
阿蘇市内牧1159-2
0967(32)0252 HP
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩温泉
42.6℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天
300円
9:00~22:00
2014/8/16