平小城温泉城山公衆浴場

平山温泉郷の懐に抱かれていることを感じる辺り、細い市道の傍らにその浴舎は建つ。



集会所のような表情の建物に湯抜きなどの造りはない。一見するだけではこの建物が公衆浴場だとは分からない。唯一、入り口の上部に掲げられた文字を見れば、ここが公衆浴場であることが分かる。




玄関を入ると趣のある料金箱が待つ。100円を入れる。脱衣所には簡素な棚と浅いプラ籠が並ぶ。扉のノブは変わらず未修理、タオルが巻かれている。扉を開けると先客が体を拭き上げていた。幸運にも一人っきりの時間が始まる。




澄んだ湯が陽光を反射する。湯口から注がれる湯は一旦小さい浴槽を満たし、広い浴槽へ流れ込む。凝視すると白い粒子が浮遊している。手にすくいあげた湯はほんのり硫黄臭が鼻腔を喜ばせる。口に含むとまろやかな玉子味が喉に届く。肌をヌルツル感が包む。極上の湯は健在である。




洗い場にも温泉が引かれている。湯印の蛇口のみを開ける。適温の湯が出てくる。心地よい硫黄の臭いがする。この上ない贅沢である。
充実した設備の温泉でなければならない方には不向きな温泉である。泉質にこだわりを持つ人にはお勧めの温泉だ。


平小城温泉城山公衆浴場
山鹿市平山
アルカリ性単純硫黄泉
42.1℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
13:00~20:00
2017/3/22